Anouar Brahem(アヌアル・ブラヒム)

このページについて

チュニジア出身のウード奏者、Anouar Brahemのアルバムを最近気に入って良く聴いており、
Anouar Brahemについての情報を一望できるようなページが欲しいと思ったので、自分で作ってます。
(2020-07-19)

プロフィール

略歴

1957年、チュニジアの首都、チュニス生まれ。10歳でウードを習い始める。

1981年から4年間パリに住み、様々な仕事をする。

1985年にチュニジアに戻り、5年間を過ごす。この間に行った演奏会が彼の名声を高めた。

1989年からECMの関係が始まり、これまでに多数のアルバムを発表している。

どういう人?

公式サイトから引用すると・・・

the oud’s conjuror, an authentic master at bringing out the acoustic magic which this age-old traditional Oriental lute carries inside its calabash: the musical heritage of the Arab and Islamic worlds. Brahem is a phenomenon, a concentrated mix of prolific paradoxes: he is a supremely subversive classicist; a solitary soloist, resolutely open to the world; and a "culture smuggler", a man ever inclined to venture beyond his own limits and push back musical frontiers… without yielding an inch to aesthetic standards forged across time and tempered with deep respect for tradition.
とのこと。

そのうち日本語訳を書く。

ウードとは

ウードとは・・・(調べたら書く)

アルバム一覧(リーダー作、参加作、両方含む)

アルバム詳細

Barzakh

データ

録音
1990年
発表
1991/04

曲名リスト

  1. Raf Raf
  2. Barzakh
  3. Sadir
  4. Ronda
  5. Hou
  6. Sarandib
  7. Souga
  8. Parfum de Gitane
  9. Bou Naouara
  10. Kerkenah
  11. La Nuit Des Yeux
  12. Le Belvédère Assiége
  13. Qaf

参加者

Anouar Brahem
Oud
Bechir Selmi
Violin
Lassad Hosni
Percussion

所感など

ECMからのデビューアルバム。
参加メンバーは全員がチュニジア人なので、濃密なチュニジアの空気を感じられる(のかもしれない)。
(2020-07-19)

ECMの商品紹介ページによると、

“Phenomenal…this is pure Arab music, without ‘world music’ frippery,” wrote Karl Lippegaus in Stereo
とのことなので、このアルバムの内容は純粋なアラブ音楽なのかもしれない。 これ以降、様々なミュージシャンとの共演を重ねていくBrahemの原点といったところか。
(2020-08-09)

リンク

Conte de l'Incroyable Amour

データ

録音
不明
発表
1992/05/01

曲目

  1. Etincelles
  2. Le chien sur les genoux de la devineresse
  3. L'oiseau de bois
  4. Lumière du silence
  5. Conte de l'incroyable amour
  6. Peshrev Hidjaz Homayoun
  7. Diversion
  8. Nayzak
  9. Battements
  10. En souvenir d'Iram
  11. Iram retrouvée
  12. Epilogue

参加者

Anouar Brahem
Oud
Barbaros Erköse
Clarinet
Kudsi Erguner
Nai
Lassad Hosni
Percussion

所感など

Barzakhに続いて発表されたアルバム。
Lassad HosniはBarzakhに続いての参加で、他の2人はトルコ人ミュージシャン。
Barbaros ErköseもKudsi Ergunerもトルコの古典音楽の世界では名の知られた人らしい。
チュニジアもトルコも同じイスラーム圏ということで、音楽的には近いものがあるのだろうか。
Naiは中東の音楽で良く使われる管楽器(Wikipedia調べ)。写真を見た感じでは、要は縦笛。
Neyとも綴るらしいが、どこから綴りの違いが来ているのかは、良く分からなかった。
(2020-07-19)

Madar

データ

録音
不明
発表
1994/01/01

曲目

  1. Sull lull
  2. Madar
  3. Sebika
  4. Bahia
  5. Ramy
  6. Jaw
  7. Joron
  8. Qaws
  9. Epilogue

参加者

Jan Garbarek
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone
Anouar Brahem
Oud
Ustad Shaukat Hussain
Tabla

所感など

未聴。
アルバムジャケットの上側にGarbarekとBrahemの名前がタイトルを挟んで配置されている。
GarbarekとBrahemの個性が出会ったところに生まれる面白さをパッケージングしようと企画されたアルバムだと想像する。
(2020-07-19)

聴いた。
GarbarekとBrahemの個性のぶつかり合いを期待していたが、Hussainのタブラがすごい。
6曲目のJawでのタブラのソロでは聴き入ってしまう。あと、単純にウードとタブラの音色は良くなじむ。

もちろんGarbarekとBrahemの演奏も負けていない。
Garbarekはジャズ界で有名な人ということしか知らないが、様々な音色でBrahemの旋律を吹きこなしていて、すごい。北欧出身ということが信じられないくらい。
Garbarekの作品も聴いてみようと思う。
(2020-07-25)

Khomsa

データ

録音
不明
発表
1995/01/01

曲目

  1. Comme un départ
  2. L'infini jour
  3. Souffle un vent de sable
  4. Regard de mouette
  5. Sur l'infini bleu
  6. Claquent les voiles
  7. Vague
  8. E la nave va
  9. AÏn ghazel
  10. Khomsa
  11. Seule
  12. Nouvelle vague
  13. En robe d'olivier
  14. Des rayons et des ombres
  15. Un sentier d'alliance
  16. Comme un absence

参加者

Anouar Brahem
Oud
Richard Galliano
Accordion
François Couturier
Piano, Synthesizer
Jean Marc Larché
Soprano Saxophone
Bechir Selmi
Violin
Palle Danielsson
Double-Bass
Jon Christensen
Drums

所感など

大編成。
アヌアル・ブラヒムのウードがあまり目立たない。ウードの音色と流れるような旋律に惹かれてアヌアル・ブラヒムの音楽を聴き出した身としては、物足りなく感じた。
いち演奏者としてよりも、作曲者として、プロデューサーとして一歩引いた立ち位置でのチャレンジなのかもしれない。
(2020-07-19)

改めて聞くと、大編成とは言え常に全部の楽器が音を出しているわけでは無く、
隙間を活かした編曲になっており、Brahemのソロもフィーチャーされている。
聴き直す必要がある。

Vague, Nouvell Vagueの2曲は後のアルバムでも取り上げられているので、聴き比べてみる。
(2020-08-25)

Thimar

データ

録音
不明
発表
1998/05/18

曲目

  1. Badhra
  2. Kashf
  3. Houdouth
  4. Talwin
  5. Waqt
  6. Uns
  7. Al Hizam Al Dhahbi
  8. Qurb
  9. Mazad
  10. Kernow
  11. Hulmu Rabia

参加者

Anouar Brahem
Oud
John Surman
Soprano Saxophone, Bass Clarinet
Dave Holland
Double-Bass

所感など

初めに聴いたアヌアル・ブラヒムのアルバム2枚のうちの1枚。もう1枚はBlue Maquams。ただ、先に良いと思ったのはこっち。
ECMのアルバムをApple Musicで色々ダウンロードして聴いてる中で、ジャケットに惹かれてこれもダウンロードした。
ボーッと聴き流していたが、Al Hizam Al Dhahbiの盛り上がりが、ちょうどその時の気分にハマった。
で、アヌアル・ブラヒムの他のアルバムも聴いてみようと思った、言わば、このページを作ったきっかけのアルバム。
メンバーはJohn SurmanとDave Hollandと言う、もろにECM人脈と言う感じ。
アルバムジャケットのイメージで、勝手にチュニジアの夜を思い浮かべながら聴いている。
(2020-07-19)

Astrakan Café

データ

録音
不明
発表
2000/09/18

曲目

  1. Aube rouge à Grozny
  2. Astrakan Café (1)
  3. The Mozdok's Train
  4. Blue Jewels
  5. Nihawend Lunga
  6. Ashkabad
  7. Halfaouine
  8. Parfum de Gitane
  9. Khotan
  10. Karakoum
  11. Astara
  12. Dar es Salaam
  13. Hijaz pechref
  14. Astrakan Café (2)

参加者

Anouar Brahem
Oud
Barbaros Erköse
Clarinet
Lassad Hosni
Percussion

所感など

未聴。
Conte de l'Incroyable AmourからKudsi ErgunerのNaiが抜けた編成。
(2020-07-19)

聴いた。
このアルバム以降はヨーロッパやアメリカのミュージシャンとのグループでの活動がメインになるので、
アラブ・イスラーム系のミュージシャンだけでのアルバムは今のところこれが最後。
仮にBrahemの活動を前期と後期に分けるなら、このアルバムが前期の総決算といったところか。
気になるのは曲名に地名が多く含まれているところ。

曲名に含まれる地名日本語名どういう場所か
Groznyグロズヌイロシア南部、チェチェン共和国の首都
Astrakanアストラハンロシア南部、アストラハン州の州都
Mozdokモズドクロシア南部の町
Nihawendニハーヴァンドイランの古都
Ashkabadアシガバートトルクメニスタンの首都
Halfaouine???チュニジアの首都、チュニスの地名。Brahemの生まれた場所らしい
Khotan和田(ホータン)中国、新疆ウイグル自治区の町
Karakoumカラコルムかつてのモンゴル帝国の首都
Astaraアスタライランの都市。アゼルバイジャンとの国境に位置する。
Dar es Salaamダルエスサラームタンザニア最大の都市で、かつての首都
Hijazヒジャーズサウジアラビア北西部の地名

日本人にはあまり馴染みが無い場所ばかりなので、どんな意図があるのかは良く分からない。
ひょっとすると、Brahemが訪れたことがある都市なのかも知れないが・・・
とりあえず、ロードムービー的な感覚でアルバムを聴いてみることにする。
Erköse作曲のAube rouge à Grozny(グロズヌイの赤い夜明け)は素敵なタイトルですね。
(2020-09-02)

Charmediterranéen

データ

録音
不明
発表
2002/06/17
Orchestre National de Jazz
主役
Anouar Brahem
Oud
Gianluigi Trovesi
Sax, Clarinet?

所感など

未聴。
Orchestre National de Jazz(フランスのビッグバンド)へのゲスト参加のようだ。
(2020-07-19)

聴いた。
Anouar Brahemのウードはいつも通り良いものの、主役のOrchestre National de Jazzの演奏に魅力を感じず、イマイチ。
(2020-09-02)

Vague

データ

録音
様々
発表
2003年

所感など

未聴。ベスト盤?らしい。
(2020-07-19)

Le Pas du Chat Noir

データ

録音
不明
発表
2002/09

曲目

  1. Le pas du chat noir
  2. De tout ton cœur
  3. Leila au pays du carrousel
  4. Pique-nique à Nagpur
  5. C'est ailleurs
  6. Toi qui sais
  7. L'arbre qui voit
  8. Un point bleu
  9. Les ailes du Bourak
  10. Rue du départ
  11. Leila au pays du carrousel, var.
  12. Déjà la nuit

参加者

Anouar Brahem
Oud
François Couturier
Piano
Jean-Louis Matinier
Accordion

所感など

未聴。
François Couturierとは大編成で録音されたKhomsaでも共演しているが、小編成ではどんな音楽を聴かせてくれるのか、気になる。
(2020-07-19)

聴いた。
Brahemのウードはいつも通り素晴らしい。
Couturierのピアノは所々サティのような、瀟洒な響きを持っている。
Matinierのアコーディオンはダイナミクスを大切にした演奏。

Brahemの音楽(アラブ世界の音楽の特徴なのかもしれないが)は基本的には旋律を重視しているように思うが、
ウードとピアノのユニゾン、ウードとアコーディオンのユニゾン、ピアノとアコーディオンのユニゾンが入れ替わりながら展開するのが聴きどころだ。

コードのせいなのか、旋律のせいなのか、CouturierとMatinier二人の演奏はフランスのムードを大いに感じさせる。
Brahemのウードに二人の演奏が合わさることで、チュニジアでもフランスでもない、架空の町を旅しているような気分に浸れる。
これは良い。
(2020-07-25)

Le Voyage de Sahar

データ

録音
不明
発表
2006/02/24

曲目

  1. Sur le fleuve
  2. Le voyage de Sahar
  3. L'Aube
  4. Vague / E la nave va
  5. Les jardins de Ziryab
  6. Nuba
  7. La chambre
  8. Cordoba
  9. Halfaouine
  10. La chambre, var.
  11. Zarabanda
  12. Eté andalous
  13. Vague, var.

参加者

Anouar Brahem
Oud
François Couturier
Piano
Jean-Louis Matinier
Accordion

所感など

未聴。
Le Pas du Chat Noirと全く同じ編成。良い手応えを感じたのかもしれない。Le Pas du Chat Noirと聴き比べてみたい。
(2020-07-19)

聴いた。
Le Pas du Chat Noirよりも全体に明るい雰囲気がある気がする。
あと、Brahemの旋律がアラブっぽいものだけではなく、他のスタイルを取り入れている気がする。
もしそうだとすると、その試みは成功していると言えると思う。
(2020-07-25)

CouturierとBrahemが共演したKhomsaに収録されていたVagueが取り上げられている。
気に入ったのかな?
(2020-08-25)

The Astounding Eyes of Rita

データ

録音
不明
発表
2009/09/25

曲名リスト

  1. The Lover Of Beirut
  2. Dance With Waves
  3. Stopover At Djibouti
  4. The Astounding Eyes Of Rita
  5. Al Birwa
  6. Galilee Mon Amour
  7. Waking State
  8. For No Apparent Reason

参加者

Anouar Brahem
Oud
Klaus Gesing
Bass Clarinet
Björn Meyer
Bass
Khaled Yassine
Darbouka, Bendir

所感など

電車で移動しながら少し聴いただけなので、保留。
(2020-07-19)

このアルバムの発表が2009年で、次作のSouvenanceの発表が2014年。
その間の2012年にAnouar Brahemの公式Youtubeチャンネルが開設されている。
ということで、このアルバムの曲のミュージックビデオやライブ映像がYoutubeに多く投稿されており、必見。

Stopover At Djiboutiの冒頭などで聴こえるキラキラした音色が何だか分からなかったのだが(Oudの特殊な奏法かと思っていた)、
映像を見てMeyerがエレクトリックベースを弾いていること、謎の音色はベースのハーモニクスで出していることが分かった。
注意深く聴いていればフレット付きのベースの演奏だということは分かったはずだが、映像を見るまで全く気付かなかった・・・
そういえばジャズベース(アコースティックでフレットレスのやつ)ではなくエレキベースとの共演はこれが唯一かも。
Brahemの音楽は全体的にアコースティック楽器の響きを重要視している感があり、珍しい取り合わせのような気がする。

ちょうど数日前にベイルートで大爆発の事故があったばかり。
The Lover Of Beirutの密かな響きが何となく胸に染みて聞こえる。
(2020-08-09)

リンク

Souvenance

データ

録音
不明
発表
2014/11/28

曲目

  1. Improbable day
  2. Ashen sky
  3. Deliverance
  4. Souvenance
  5. Tunis at dawn
  6. Youssef's song
  7. January
  8. Like a dream
  9. On the road
  10. Kasserine
  11. Nouvelle vague
Anouar Brahem
Oud
François Couturier
Piano
Klaus Gesing
Bass Clarinet
Björn Meyer
Bass
Pietro Mianiti

所感など

未聴。アラブの春の影響を受けて制作された、パーソナルなアルバムとのこと。
当時のチュニジアの状況など、良く知らないので、その辺も調べつつ聴いてみたい。
(2020-07-19)

Blue Maquams

データ

録音
不明
発表
2017/10/13

曲目

  1. Opening Day
  2. La Nuit
  3. Blue Maqams
  4. Bahia
  5. La Passante
  6. Bom Dia Rio
  7. Persepolis's Mirage
  8. The Recovered Road to Al-Sham
  9. Unexpected Outcome

参加者

Anouar Brahem
Oud
Dave Holland
Double-Bass
Jack DeJohnette
Drums
Django Bates
Piano

所感など

初めに聴いたアヌアル・ブラヒムのアルバム2枚のうちの1枚。もう1枚はThimar。
Thimarの方を気に入って良く聴いていたので、こちらはあまり印象に残っていない。そのうちちゃんと聴いてみたい。
今になって見ると、メンバーがECMのジャズ人脈丸出しと言う感じで、興味深い。
(2020-07-19)

初めに聴いたときは全く気付いていなかったが、このアルバムはBrahemの作品の中では最もオーセンティックなジャズのカルテットに近い編成。
ウードの代わりにギターが入れば、まさにジャズ・ギタリストのリーダー作の典型的な編成だと言えると思う。
特にドラムスとの共演は25年を超えるキャリアの中で初めてで、いつもと違うBrahemが楽しめる(のだが、初めにこれを聴いたのでそこに気付いてなかった)。
(2020-07-25)